こんにちは、H.R.です
今回は就活生の間でホワイト+高給で人気の高い資産運用業界のポートフォリオマネージャーという職種について説明していこうと思います。この記事を執筆している時点で、私は現在大学四年生であり、就活を進める上でこれまで調べ上げた情報を分かりやすくまとめました。
H.R.の経歴
京都大学経済学部、一年間の米国留学経験あり。就職活動は夏からインターンシップへの参加を開始し、合計で13社(ITコンサル・戦略コンサル・外資系投資銀行・シンクタンク・資産運用会社・スタートアップなど)の複数日に渡る対面インターンシップを経験。外資系投資銀行のOB・OG訪問や資産運用会社の社員との面談を通じて資産運用業界に関する知識量・情報量は就活生の中でトップを取れる自信がある。金融系の中でも証券および資産運用会社のみしか見ておらず、早期選考・本選考に申し込んだのも証券+資産運用会社ばかり。結果として2024年4月から資産運用業界で働く予定。
目次
ポートフォリオマネージャーとは
ポートフォリオマネージャーは法人や企業に対し、彼らが保有している金融資産の内訳を決める、もしくは変更の提案をする職業のことです。
そもそもポートフォリオとは個人・法人が所有する金融資産の内訳のことを指します。例えばあなたが金融資産(株・債券・FXなど)に100万円投資しているとしましょう。そしてその100万円の使い道は以下のようになると仮定します。
- 株 40万円 (日本株 20万円、外国株 20万円)
- 債券 30万円 (日本国債 15万円、海外国債 15万円)
- 定期預金 30万円 (アメリカドル定期預金 20万円 ユーロ定期預金 10万円)
このとき、あなたのポートフォリオは図で示すと以下のようになります
本来はもっと複雑ですが、ポートフォリオの概要はこのようなものとなります
そしてポートフォリオマネージャーが具体的に何をするのかというと、例えば(以下「上のあなたのポートフォリオ(資産別内訳)」のグラフを参考に説明します)
- 現在日本株の比率が20%だが、その割合を変更して25%に増やしその代わりに外国株の比率を20%から日本株の増減に合わせて15%に減少させる
- 現在日本国債の比率が15%だが、その割合を変更して12%に減らしその代わりに外国株の比率を15%から日本国債の増減に合わせて18%に増加させる
などがあります
もちろんこの資産比率の変更には理由が必要です。大抵の場合、分析や調査に基づいて日本株が海外株と比較してこれから盛り上がるから、資産運用により収益を上げるためにも日本株比率を増やした方がいいという理由があったり、このポートフォリオはもともと欠陥があるので変更しなければならないという理由があってポートフォリオの変更提案が行われます
ファンドマネージャーとの違い
ポートフォリオマネージャーとファンドマネージャーの大きな違いはポートフォリオをいじくるか、株・債券などの個別金融資産をいじくるかどうかにあります。
ファンドマネージャーについて深く知りたい方はこちらから
ポートフォリオマネージャーは投資対象資産の割合を変更するのみで、投資対象資産を実際に売買しているわけではありません。(例えば「日本株の比率が20%だが、その割合を変更して25%に増やしその代わりに外国株の比率を20%から日本株の増減に合わせて15%に減少させる」など)
しかし、ファンドマネージャーはポートフォリオには一切触れない代わりに、ポートフォリオを構成している個別銘柄、個別国債の売買を担当します。ポートフォリオを構成している銘柄、国債というのは日本株をポートフォリオのうち15%ほど保有していて、その日本株の種類が(ポートフォリオを構成している銘柄が)TOYOYAや花王、東芝などのことを指します。
例えば、ファンドマネージャーの仕事として、ある一国の経済が停滞しその国の債券から安定した金利収入が得られないためその債券を売って別の国やより長期の債券を買うことで債券の入れ替えを行う、やこの企業の業績が低迷しているからその株を売って他の業績が好調な企業の株を買うことで株式の入れ替えを行うなどがあります。しかし、ここでポートフォリオの資産構成割合に全く変化はありません。
以上の説明では分かりにくかったという人もいるかもしれないので、実際の業務の流れを見てみましょう(1~6の順で進んでいきます)
- ポートフォリオマネージャーによるポートフォリオの分析・調査
- 法人・企業に対してポートフォリオマネージャーによるポートフォリオの変更提案
- ポートフォリオ変更の承諾
- 資産構成割合の変更(ここでポートフォリオマネージャーの役目は終了)
- ファンドマネージャーによる資産構成割合の変更に合わせた個別銘柄及び債券の調査・分析
- ファンドマネージャーによる新規銘柄・債券、もしくは既存銘柄・債券の売り買い
このようにポートフォリオマネージャーとファンドマネージャーは棲み分けがされており、業務を分担することで効率的な業務運営を実行しています
ポートフォリオマネージャーが取り扱うファンド
私が知る限りでポートフォリオマネージャーが取り扱うファンドで代表的なものとしてバランスファンドがあります。実例を見せた方が早いので、以下実際のファンド情報です。
こちらは野村アセットマネジメントによる世界分散投資戦略ファンドという世界中の株式・債券・通貨・オルタナティブに分散投資を行うファンドです。分散投資を行う上で資産構成配分の決定は非常に重要な要素なので、企業や法人、機関投資家がこのファンドを購入している場合、ポートフォリオマネージャーの出番となります。
就活の際、ポートフォリオマネージャーとファンドマネージャーの区別はできておいた方がよいのできっちりおさえておきましょう